イライラを上手に回避!怒りをコントロールする「アンガーマネジメント」



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私たちはさまざまな感情を持っています。これらの感情は、私たちが生きる上で、必要な「心の動き」として進化してきたのですが、時として問題になる感情があります。特に、私たちがもっとも自分で自分をコントロールしづらくなるのが「怒り」の感情です。
東名のあおり運転事件を契機として、怒りをコントロールする“アンガーマネジメント”がこれまで以上に注目されるようになりました。

確かに、怒りの感情が起こることで人間関係を悪化させ、暴行などの事件に至ることもあります。職場や顧客との人間関係を悪化させ仕事に支障をきたすこともあるでしょう。また、自動車の運転中にイライラしたり、怒りを感じたりして乱暴な運転で交通違反や事故を起こすことにもなりかねません。

怒りの仕組み

まず、はじめに怒りの感情について考えていきましょう。感情は誕生とともに現れます。最初は快と不快の2種類から始まり、8~9か月になると、喜び、恐れ、怒り、悲しみ、嫌悪、驚きといった感情が見られるようになります。この感情を一次感情と呼びます。そして、2歳近くになると、それまでの経験や学習により、困惑、誇り、恥、罪、共感、羨望という感情が獲得されます。これを二次感情と呼びます。

この一次感情は、個人が生命や安全のために獲得する重要な安全装置です。例えば、アフリカのサバンナでライオンと出会った時のことを考えてみてください。まず、驚き、恐れることになります。そして、怒り、戦い、逃走します。その過程でけがをすれば悲しみ、戦いに勝てば、喜びます。いわば、一次感情は本能的な反応であり、一次感情を抑え込むことは困難です。ですから、無理して怒りの感情を抑える必要はありません。

アンガーコントロールの方法論

セロトニンを分泌させる

神経伝達物質のセロトニンが脳内に放出されると満足感や幸福感が得られます。また、怒りというのは、ストレスホルモンのノルアドレナリンが脳内に満たされている状態、つまりイライラしている状態であり、そのときにセロトニンはノルアドレナリンの効果を打ち消す効果があります。

副交感神経を優位にする生活をする

私たちの体の仕組みの一つに、交感神経と副交感神経があります。交感神経が優位になるとストレスを感じ、副交感神経が優位になるとリラックスします。つまり、副交感神経を優位にすることで、ストレスを和らげることができるというわけです。

ポジティブな考えを多くする

私たちの脳は「~してはいけない」という禁止用語を理解できません。逆に、禁止されたことに反発して禁止されたことを行ってしまう心理があります。ネガティブなことにとらわれるとストレスになります。ですから、ポジティブな思考を多くする習慣をつけます。

自分の行動を冷静に見る

自分のイライラした姿を冷静に見ることで、本来の自分を取り戻すことができます。従って、一歩引いて、自分を見る工夫をすることです。

イライラした時の具体的な対処法

イライラした時に怒りとして爆発させない即効的に怒りを鎮める方法を紹介します。自動車の運転中や仕事中に使える方法です。

深呼吸

深呼吸をすると副交感神経を優位にすることが知られています。副交感神経を優位にして、リラックスすることで、ストレスやイライラを軽減して怒りの爆発を防止するのです。

日に当たる、歩く

日に当たることでセロトニンが分泌されます。そうすると、満足感が得られ、ストレスが軽くなります。また、運転中や仕事中には実行できないと思いますが、歩くことなどのリズム運動でもセロトニンが分泌されます。

ガムをかむ

ガムをかむこともリズム運動なのでセロトニンが分泌されます。これは運転中にもできるアンガーコントロールです。渋滞のイライラや他車の運転などのイライラを軽くなります。

笑顔を作る

鉛筆を横に咥えただけで快を感じる脳の部分が活性化するという実験があります。つまり、作り笑いでも笑顔を作れば心地よくなるので、ストレスやイライラが軽くなるというわけです。

鏡を見る

鏡で自分を見ることは、他人が自分を見る姿です。イライラしているところは、奥さんやご主人、子供、恋人には見られたくない姿です。この姿を鏡で見ることで、冷静に自分の姿を見ることができるようになります。

6秒ルールを作る

アンガーマネジメント協会によれば、怒りの感情が湧き上がってきたときに、その怒りが消滅するまでの時間はたった6秒だといいます。怒りがこみ上げてきても6秒我慢すれば、怒りが消えていくというのです。ということは、6秒という時間を使って、カウントダウンすることや深呼吸する自分なりのルールを作り、何回も実行することで習慣化しましょう。

問題が発生した時にはワンクッション置くのがポイント!

他人の言動が許せないと感じた時に、ワンクッション置く方法です。怒りは一次感情で本能的反応なので許せない行動には反射的に反応するものですが、ワンクッション置くことで冷静な判断ができるようになります。

「怒り」を根本的に改善するには?

怒りっぽい性格を根本から改善する方法を提案します。ポジティブ・シンキングを身につけることです。自分だけのルーティーン、「大丈夫、大丈夫」「まだ、まだ」などの前向きな言葉をイメージすることを習慣化しましょう。
こうすることでポジティブな考えが自然に身についていきます。

周囲の人がイライラした時の対処法

周囲の人がイライラしている時にも上記のことが有効です。例えば、彼が運転しているときに、前の車がノロノロ走っていると、彼は「遅いな」とイライラすることがあります。そのような時は、まず「本当だね。年寄りかしら」と彼に共感し、「まだ時間あるから、放っておこうよ」と言って時間を稼ぎましょう。そして、ガムを噛むことを勧めましょう。そうすれば、イラっとした彼も理性的になるはずです。

「イライラ」とも上手なおつきあいを

怒りに任せた行動は、理性を失わせて重大な結果を及ぼすことがあります。怒りっぽい人はぜひ「アンガーマネジメント」を試してみてくださいね。