5人に1人は「不眠症」と呼ばれる現状
不眠症は国民病だともいわれています。
日本人を対象にした調査がいくつもありますが、厚生労働省が発表した調査では今や「5人に1人が不眠症」であるということがわかります。不眠症といっても、寝つきが悪い人や、中途覚醒してしまう人、早朝に目が覚めてしまう人、寝たはずなのに疲れが取れないと悩む人など、人それぞれの不眠の形がありますが、それ以前に私たちの睡眠時間について知っておきたいことがあるのです。
「睡眠」中に体が行なっていること
皆さんは、自分が眠っている間に、体がどのようなことを行なっているか知っているでしょうか。睡眠をしっかりととるということは、肉体的な回復だけでなく、心の健康にも繋がってきます。
・脳の休息
・体の休息
・精神を安定させる
・記憶を整理して蓄積する
睡眠は記憶を整理して蓄積するため『記憶力』にも深く関わっている、ということもわかっています。これらのメリットをしっかりと理解し、睡眠時間の確保に意識を向けることが大切なのです。
日本の平均睡眠時間は、世界と比べてかなり短い
日本は世界と比べても睡眠時間が少ないことで知られています。
2018年に経済協力開発機構(OECD)が発表したデータをみてみると、日本は先進国でもっとも睡眠時間の少ない国だということがわかります。
最も睡眠時間が長い国はアメリカで、平均8時間45分。加盟各国の平均睡眠時間は8時間25分、ワーストワンである日本は7時間22分という数字になっています。
日本では「7時間睡眠」がひとつの基準のように挙げられることもありますが、実はその認識が間違いである可能性もあるのです。「7時間の睡眠じゃ足りない」という人が世界では多数派。ビジネスパーソンこそ、睡眠時間をしっかり確保するべきなのです。
「7時間の睡眠」はあくまで最低ライン
また、睡眠不足は蓄積されると言われています。それが「睡眠負債」。
この言葉を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか? 一般的に睡眠負債は睡眠時間の6時間を超えると発生されるともいわれていますが、納期間近の仕事があったり、飲み会などの予定が固まるなど、仕事をしていく上で睡眠時間が短くなってしまうことはだれにだってあるでしょう。週末の寝溜めでその負債を解消しているという方も少なくはないはずです。
けれど、ここで理解しておきたいのは、睡眠時間に関しての調査はいくつも発表されていますが、その中で多くの学者が述べる最適な睡眠時間は7〜9時間である、ということです。また、睡眠不足がパフォーマンスの低下に繋がるという論文も数多く報告されています。
6時間睡眠は、体にとってはマイナスな状態。7時間寝るをベースにすることでようやくプラスマイナスゼロの状態に立てた、ということなのです。健康のためには「7時間の睡眠を最低ラインにする」というくらいの強い認識を持っておいて良いでしょう。
勤勉で真面目な性格を仕事にだけ活かすのではなく、体のために「もっと寝る」という真面目さも発揮していきましょう。