「クレーム電話での執拗な暴言に悩んでいます」#これってハラスメントですか?!

「クレーム電話での執拗な暴言に悩んでいます」#これってハラスメントですか?!

さまざまなハラスメントが社会問題として話題になっている昨今ですが、自分が被害にあった時、だれに相談すればいいのか、どこからがハラスメントと呼ばれるのかがわからず頭を悩ませている方も多いようです。そんなお悩みに弁護士、齋藤健博さんがお答え。今回はコールセンターに務める女性からの相談です。


Q. クレーム電話での執拗な暴言に悩んでいます…

通信販売のコールセンターで働いています。お客様から購入した商品について不明点があればお答えする、という仕事内容なのですが、この所よく同じ男性からの問い合わせがあります。その内容というのが「お前のところで買ったものが壊れている返金しろ!」というもの。しかし、よくよく話を聞いてみると、壊れた商品は他社のものでした。「別の企業の商品なので」と対応するのも話が通じず、「お前の対応が生意気なんだ。そんなんでよくこの仕事をやっているな?辞めてしまえ」と私に対する暴言も聞かされ続け、2時間以上その方の対応をすることになりました。

業務上このような出来事はよくあるのですが、しょっちゅう同じ人から来るので、次はいつ来るのだろうかと毎日恐怖で電話に出るのが辛くなってきました。名前を覚えられているのか名指しをしてくるのも怖いです。このように、特定の人からの過剰な問い合わせは法律的に該当するものはあるのでしょうか、教えてください(綾季/27歳/通信販売)

A. カスタマーハラスメント(略称カスハラ)が成立!

綾季さんのご職業柄、カスタマーに対して丁寧な対応をすることが要求されているのは事実でしょう。近時、「カスタマーハラスメント」(略称はカスハラ)が成立しているでしょう。というのは、「返金しろ」等の要求は、多少正当性を帯びているようにも思いますが、話を聞いていると、綾季さんの勤務する会社のものではない以上、不相当な要求です。また、仮に生意気ととられるような態度に聞こえたとしても、「やめてしまえ」等の発言は、それ自体脅迫になりえるものであるといわざるをえません。同じ方相手に二時間も相手をする事態に発展する以上、円滑な業務の妨げになり、場合によっては威力業務妨害罪が成立する可能性があります。

最近の裁判例では、大阪市住吉区役所に対して、職員への暴言や膨大な数の情報公開請求をした事例で、損害賠償を認め、また、妨害行為に対する差し止めを認容した判断が示されています(大阪地判平成28年6月15日・判時2324号84頁)。威力業務妨害罪のほかにも、偽計業務妨害罪、強要罪の成立が視野に入るでしょう。なお、綾季三の状況は、次はいつ来るのだろうかと毎日恐怖で電話に出るのが辛くなってしまっている以上、悪質なクレーマーへの対応を現場に任せきりにしたうえ、対応を放置すようであれば、労働契約に付随する義務として、法人に対して従業員を対象とする安全配慮義務違反を主張して損害賠償請求をする余地が生じます。

回答者:弁護士 齋藤 健博

自身のLINEIDを公開しており、初回相談はLINEで無料で行うことが可能な弁護士。ハラスメント問題や浮気・不倫問題の解決に定評があり、過去には弁護士ドットコムのランキングトップに名を連ねた経験も。YouTubeではセクハラ時の対応に関する動画なども公開している。多くの被害者の悩みである「セクハラの線引き」や、「残すべき証拠」などを動画で分かりやすく伝えている。
YouTube動画URL:https://www.youtube.com/watch?v=gd8rwOXDKp0

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Cinq(サンク)-よくばり女子のはたらきかた-

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