Q.病院で働く部下に「タバコを吸うのはやめて」はパワハラに入りますか?
医療関係の仕事をしています。
私の後輩はタバコを吸っていて、いつも病院近くにあるコンビニの喫煙スペースで吸っています。病院内は禁煙ですが、外でタバコを吸うことは禁止はしていません。ですが後輩は多くの患者さんを担当していますし、タバコを吸わない側からすると臭いも気になるので、医療現場で働く人が吸うのはよくないのではと思い「タバコを吸うのやめて」と言います。
また、タバコ休憩をとることが多く休憩に行くとなかなか戻ってこないのも気になっています。注意しても後輩は苦笑をするだけですが、私の言い方はパワハラになるのでしょうか? もしそうであれば言うのは辞めようと思っています。(優花/32歳/医療)
A.留保をつけておきながら発言するなどの工夫をしよう
優花さんは医療業界で、清潔さ第一の業界におられますね。もちろん、後輩さんがタバコを吸う、吸わないは個人の自由かもしれません。しかも、いつも病院近くにあるコンビニの喫煙スペースで吸っているのは、患者さんが見る機会は多くあるでしょうし、病院内は禁煙であることは当然としても、ルール違反を犯しているわけではありません。
優花さんは、ある意味で後輩に対し裁量権を行使して、指揮監督する責務もになっているはずです。そうすると、タバコ休憩をとることが多く、休憩に行くとなかなか戻ってこないとすると、ある意味で勤務時間中の規律違反であることはありえるでしょう。
パワハラは、対等当事者間でない者どおしの関係にあって、上命下服の関係にある場合に成立しやすいですから、注意の仕方に気を付けるべきでしょう。「タバコを禁止するわけではないけど、」など、留保をつけておきながら発言するなどの工夫が必要でしょう。
回答者:弁護士 齋藤 健博
自身のLINEIDを公開しており、初回相談はLINEで無料で行うことが可能な弁護士。ハラスメント問題や浮気・不倫問題の解決に定評があり、過去には弁護士ドットコムのランキングトップに名を連ねた経験も。YouTubeではセクハラ時の対応に関する動画なども公開している。多くの被害者の悩みである「セクハラの線引き」や、「残すべき証拠」などを動画で分かりやすく伝えている。
YouTube動画URL:https://www.youtube.com/watch?v=gd8rwOXDKp0