職務経歴書の書き方をおさらい! 注意点とよくあるNG例を紹介



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Cinq読者の皆さま、おはようございます。キャリアアドバイザーAです。
前回、履歴書の書き方についての基本と、中途採用の現場で人事とキャリアコンサルタントとの実際のやりとりの片鱗についてお伝えしました。
今日は、もう一つの書類、「職務経歴書」についてその書き方のポイントについてお伝えしていきます。

「職務経歴書」は決められたフォーマットがないフリースタイルの書類のため、特にはじめて作成する場合は、何から手を付けたらよいか悩んで相談される方がとても多いです。
その方が「どんな学歴か」「どの会社に何年所属していたか(どの会社で経験を積んできているか)」「どんな資格をお持ちか」「どうして自社を志望してきたか」は、履歴書を見ればわかること。だとすると、職務経歴書を提出してもらって、企業はそこから何を読み取りたいのでしょうか?
それを考えれば、どんな形式の書類を作成するべきなのか、想像できそうです。

職務経歴書作成のポイント

まずお伝えしたいのは、「いきなりPCで職務経歴書を作成しはじめても挫折しますよ!」ということです。

最初は「一日」「一か月」「一年」単位で振り返りを

最初にやるべきことは、自分が現在担当している業務の「一日の流れを書き出すこと」「一か月の動きを書き出すこと」「一年の動きを書き出すこと」です。
できるだけ細かく思い出して書き出してください。時間がかかることかもしれませんが、ここで頑張ることが面接の準備につながります。自分の言葉で自分の経歴をちゃんと話すことができる方が思いのほか少ないのは、ここをしっかりやってきていないからだと思います。

上記を3つ(一日、一か月、一年の業務の流れ)を書き出したら、●自分がどんな部署で●どのような立ち位置で●どのような成果をだしたか 整理していきます。

一回目に作った職務経歴書を、第三者目線で読み返してみる

忙しい企業の人事担当者が、あなたの職務経歴書を読み込む時間はだいたいどのくらいだと思いますか?
まず、採用のポイントになるキーワードが含まれているかどうかをざっと数十秒で書類を確認し、そこでひっかかりのない書類はボツ。読み込んで貰えるチャンスはありません。
キャリアアドバイザーとしてたくさんの職務経歴書を目にしてきましたが、その8割以上は何らかの手直しが必要でした。

職務経歴書を一回で作成できる方はほとんどいらっしゃいません。たいてい「自己満足な」書類になってしまうものです。客観性にどうしても欠けてしまうものだからでしょう。
ご本人が読むとわかりやすくて、言いたいことが全て網羅されている書類であっても、第三者から見ると必ずしもそうではなく、わかりにくくてポイントを把握しづらい、残念なものになってしまいがちです。

NGな職務経歴書あれこれ

「職務経歴書にすべて私の経験を書いたので、面談する必要はないです。書類を送るのでそれで判断して、私に最適な案件を提案してください」と言って、パワーポイント30枚に渡る大作(!)を送り付けてきた転職者が以前いらっしゃいました。……書類選考が通過しないのは当たり前です。

職務経歴書は何枚まで。と決まっているわけではありませんが、「時間がない人事にもわかりやすく端的に経歴が伝えられるようにまとめている書類」であることを意識した場合、せめてA4用紙に4~5枚までに収めることも大切だと思います。
企業は、簡潔に言いたいことを伝える「ドキュメンテーション能力」も書類選考で判断していることをくれぐれもお忘れなく。
ここまで極端でなくても、例えば、このようなNG書類はたくさんみてきました。

経験した職務内容の全てを、時間軸に沿ってだらだらと羅列している

社会人経験が長ければ長いほど情報量が多すぎて、焦点がぼやけます。
自分にできることを漏れなく全部盛り込みたい気持ちはわかりますが、今回の転職で、自分がどのスキルで勝負したいかがわかっていない印象になり、忙しい人事は絶対最後まで読んでくれないでしょう。

選考評価の対象とはいえない成果を強くアピールする

採用側が知りたいこととズレていると、かえってマイナスの印象を与えて逆効果です。

社内用語を濫発(略語、製品名、固有名詞等)し、注釈を多用することで読み手の視線の流れを遮る

書類の基本は上から下にスムーズに視線が流れるように作成すること。
 欄外の注釈や別表参照ばかりだと、視線の運びがスムーズでなく、読み手の集中力を削いでしまいます。

飾り文字やカラーを多用し、フォントも複数つかってごちゃごちゃした印象

アピールしたい一心かもしれませんが、読み手に無駄なストレスを与えるだけです。

入社を嘆願する、1000文字を超えた長文自己PR

職務経歴書は、自分という商品を売り込むツールですが、これでは「押し売り」のツールになってしまっています。使ってみたらどんなに良い商品だとしても、「押し売り」からは買いたくないですよね?

これまでの会社での苦労と、自分がいかに過酷な状況に置かれているかが滔々と書かれている

「ブラックな環境で辛い思いをしてきた」ことが「このひとを自社に採用しよう」と思う動機になるかどうか、考えてみましょう。
採用に不要な情報については、極力記載は避けるべきです。

応募書類は企業へのラブレター作成と同じだと心得ましょう!

最近の転職サイトは、登録情報から簡単に書類が作成でき、企業への応募もワンクリックで実施できるため、効率よく気軽に何社にも応募ができとても便利になりましたが、応募した書類はしっかり読み込まれます。誤字や脱字、記載ミスがあっただけでお見送りになるケースも多いのです。

また、「履歴書の経歴(高学歴だったり、社格の高い会社にお勤めだったり)」に比較して、内容が軽いアンバランスな印象を与えてしまうものだと、それも書類選考通過の妨げになりがちです。

「え、なんで?」と書類選考者に思わせないことが大事なのです。

卑近なたとえで申し訳ないのですが、誰にでも送っているようなラブレターを、しかも誤字だらけのものを受け取って、あなたは嬉しいでしょうか?会ってみたいと思うでしょうか?
「お付き合いできれば誰でも良いんじゃないのかなこの人」と思うのではないでしょうか?

職務経歴書作成もそれと一緒なのだと考えましょう。どの企業にも提出していそうな書類と、自社のために志望動機もしっかり書き込まれた書類を比べた場合、後者の方がやはり志望度や熱意の高さは伝わるものだと思います。
技術革新がどんなにすすんでも、最終的に「一緒に働きたい人」を選考するのは「人間」だからです。

次週は、もう少し具体的に「職種別の職務経歴書記載のポイント」についてお伝えしていきたいと思います。代表的な例として営業職、エンジニア職、事務職について記載していきます。
もし、上記以外の「●●職の書き方について知りたい」というご要望がおありの方がいらしたら、Cinq編集部までご連絡ください!

キャリアアドバイザーA