付き合ってないけど、特別な関係。「事実カップル」って何?



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お互いに、お互いを想いあっている。それならば必然的に段階を踏んで告白をして恋人になり、果ては結婚……というのが多くの方が想像する恋愛のならわし。事実カップルはその、関係性の中で「告白」し「恋人」という関係性をとっぱらった間柄のことを指します。

「好きだけど付き合っていない」と言葉尻だけをとらえれば、なんとも都合のいい関係のようにも思えますが内情はただのセフレというわけでもないのです。今回は、そのあえて付き合わないカップルの在り方についてご紹介します。

なぜ、2人は付き合わないの?

「好きだけど付き合わない」というこの関係性。とくに女性側は「なぜ?」と思うかもしれませんね。その理由はさまざまあるかと思いますが、一番は「恋人という呼び名に意味を感じていない」という場合が多いのではないでしょうか。

実はこの件に関しては離婚を経験した筆者にはよく理解できるのです。というのも、恋人や夫という呼び名に私自身が非常に強く縛られていたため、元夫を苦しめてしまったからです。私のケースでいうと、結婚当時の私は夫のことを一人の人間としてではなく「私の夫」として見ていました。そのため、知らず知らずに「夫という立場ならこうして欲しい」という自分の理想のパートナー像を夫に押し付けてしまったのです。その枠組みに当てはまらない行動や言動をする夫を見て、その度にガッカリしてしまう自分自身も好きではありませんでした。

所詮、呼び名は呼び名でしょ?と思うでしょうか。
ですが時々こんな気持ちになることはありませんか?

「彼氏なら、もっと連絡くれてもいいのに」
「こんなの付き合ってるって言えるのかな?」……と。

このような気持ちは、彼本人との付き合いそのものではなく、自分の理想とする恋愛に相手を当てはめようとしている傾向にあります。そしてそう思う理由に少なからず「恋人」という呼び名を誰よりもご自身が特別視している可能性があります。

事実カップルは、あえて付き合わないことでそうした固定概念にとらわれない関係性を築いていきたいと思っているのではないでしょうか。

事実カップル、それって都合のいい関係じゃないの?

恋人ではないけれど、お互いに好きな気持ちで繋がっている。とすれば当然、体の関係もあるでしょう。体の関係はあるのに、付き合ってない。……ということは単なるセックスフレンドでは?と疑問を持つところですよね。

個人的に事実カップルとセックスフレンドは似ているようで全く違った関係であると捉えています。大きな違いとしては二人の間に「信頼」があるかどうかです。

セフレは、恋人という面倒な手間を省いた関係性。つまり体だけ繋がって、お互いの人間性においての信頼は二の次どころか三の次といった具合です。事実カップルは、セックスがなくとも一緒にいる時間を共有したり、互いの人生観を語ったり、二人の将来について話し合うほどの深い関係でもあります。

セフレは体で繋がっていることが全て。
事実カップルは心で繋がっていることが全て。
なので、お互いに信頼していないと成り立たない、ちょっと難しい関係ですね。

最大の特徴は「別れがない」こと。

事実カップルはそもそもで恋人ではありません。
なので別れ話をしようにも、別れがない。

これはこれでややこしいのですが、多少のケンカやいざこざ程度で関係性が変わることがないのは大きな利点ですね。それこそ事実カップルが関係性を断つというのは、一生関わりを持ちたくないという絶縁状態を意味します。よほどの状況にならない限り別れが訪れないので、そういった点では信頼で繋がれている関係のほうが安心感があるのではないでしょうか。

また、「恋人」という縛りがないので一緒にいられる時間そのものに喜びを感じやすいのも特徴的。隣にいることが当たり前ではない間柄であることを自覚しているからこそ、感謝を忘れずより良い関係にもなっていきます。

ただ好きな人と一緒にいたい。その気持ちを大切に。

謎の多い関係性、事実カップル。
ですが、その内情はとても純粋な気持ちで溢れています。

それはお互いが、お互いに何に縛られることもなく「ただ、一緒にいたい」という気持ちを大切にしていることです。そのためには、人として信頼し合えているかが大切であり、その信頼を強い結びつきにするためによくよく話し合っていくことが大切。

もちろん、全員がこうあるべきとは思えませんが、事実カップルの本質的な在り方を参考にパートナーとより良い関係性を構築してみるキッカケになれば幸いです。