Cinq読者の皆さま、おはようございます。キャリアアドバイザーAです。
私が住んでいる街に、新しい商業施設ができました。
ここは以前、巨大な敷地の雑草を食べさせるためにヤギを飼っていた場所。毎年6月には新しく赤ちゃんヤギが生まれ、真っ白でとても可愛かったです。
炎天下にも暢気に草を食む彼らをみて、ヤギが酷暑に強い動物なのだと知りました。(逆に、寒さには弱いみたいで、冬になると越冬地にお引越ししていました)あの敷地がインフィニティ―プールを備えたホテル・飲食店・スタイリッシュな雑貨屋さんや美術館、コワーキングスペースやコンサートホールまで兼ね備えた商業施設に生まれ変わり、地元住民としては感慨深いものがあります。
(今日は、そのコワーキングスペースでこのコラムを書いています)
コロナ禍の影響で各店オープンのタイミングをずらしたり、オープニングコンサートが中止・延期になったりしていて心配しましたが、時折訪れると各店概ね盛況の様子です。
複数内定が取れたのは良いけれど…どこに決定すれば良いの?
さて、今回のこのコラムでは、「複数内定が取れた時の意思決定のためのチェックポイント3つ」についてお伝えしていきたいと思います。
書類選考は通過するのに、面接がうまくいかなくてなかなか内定までたどり着けない方がいます。一方で、3、4社から内定が出て各社から引っ張りだこの方もいます。これは、新卒採用であっても中途採用であっても起きる現象です。
「その場合は、最後は内定通知書の金額や待遇をみて決めます」と仰る方が多いですが、その待遇がほとんど変わらない場合、最後の選択は嬉しくも大きな悩みとなります。
そんな時がもしあなたに訪れたら。これから挙げる3つのポイントをぜひチェックしてみてください。
1. 働くとなった場合、上司や同僚となる人と感覚が合っているか?
その人と一緒に仕事をしたいと思えるかどうかです。何となくあの上司とはウマが合わないと感じたら、その会社は避けた方が良いです。
私自身の経験で、苦い思い出があります。ある職場の面接を受けた際、最終面接の場で、会食の機会がありました。
その場にいた会長の「食べ物の食べ方」が、端的に言うととても汚かったのです……。普通の面接で訊かれるような通り一遍の質問もされましたが、食べ物を口に入れたまま話す方で、会食が終わったあと気持ちがザラっとするような、何とも言えない印象が残りました。が、直属上司はとても良い方でしたし、「会長は普段は直接関わる機会はない。オフィスも別」との説明だったため、そのまま入社を決めました。
蓋を開けてみるとビックリ。初日から定時退社時間過ぎに始まる「営業会議」(という名の“吊し上げ会”)に出席するよう告げられ、早々に退社してしまった人事の業務も降ってくることになり、休日や深夜に関係なく会長から直接電話が架かって来るようになり……と、絵に描いたようなブラックな展開でした。今思い返して書いていてちょっと笑ってしまいます。(苦笑い)
何度も「あの時の“ザラっ”とした自分の直感にしたがうべきだった…」と後悔しました。
ここまで極端な経験をすることはあまりないかもしれませんが、「ウマが合う」「感覚が合う」ひとたちとの仕事をするということは、皆さまが思っているよりもずっと大切なことです。
2. その「仕事」が好きか
仕事は、趣味や遊びではないので、「楽しさ」や「好き嫌い」だけで選ぶべきではないとは思います。しかし、個々の価値観の違いによっては【どうしても価値の見出せない仕事】、【乗り切れない仕事】はあるものです。例えば、営業としてその会社の主力商品に全く興味が持てない場合、その商材を力強く売り込めるでしょうか?
そのような仕事を給与が高いからといって選んでしまうと、いずれ会社に行くこと自体苦痛になってくることでしょう。「大変だけれど達成感がある」、「大変だけど充実感がある」そんな仕事を選ぶようにしましょう。
3. 将来性があり、自分が成長できる環境か?
その会社の仕事は、今のあなたの能力をさらに引き上げてくれるでしょうか?
常に「今の仕事より少し難易度の高い仕事」「少しだけ背伸びする必要がある仕事」につける機会があることが大事です。
楽な仕事は、あなたを成長させてくれません。また、明らかに「斜陽産業」だと思われる領域に転職していっても、その後のキャリアに広がりは見込めません。
私は人材紹介会社に転職しようとした時、それまでほとんど接点のなかった「IT業界専門」の人材会社にお世話になることにしました。当時は「Javaって何?」「コンサルティングファームって何?」「上流工程って何?」「SIerって何?」状態でした。
そもそも、30代になって、それまで所属していた製造業から人材ビジネスというのもチャレンジだったのに、さらに「新しい業界のことを覚えよう」「その業界の転職者の支援をしよう」と思ったのですから、無謀なチャレンジでしたし、苦戦を強いられて経済的にもとてもツライ経験もしました。幸い、周りの方たちに恵まれ、鍛えていただけたと感謝しています。あの時詰め込んだ知識が私の40代を支えてくれていたのだと思っています。
会社選びは感覚も大事すべき
ポイントを3つご紹介しましたが、本当のところ、将来性なんか実際は誰も分からなかったりしますし、コロナ禍のように予測もしないようなことが起きるのがこの世の常です。
仕事や職場という【環境】を選択する際、人間として、「生き物として」の感覚のようなものも大切にして、その時その時悔いのない選択をしたと振り返った時に言えるように決断をしていきたいですね。
それでは、今日はこの辺で。またお目にかかりましょう!