明確な指示をしない上司に困惑…で、どうしたらいいの?の対処法



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1.明確な指示をしない上司に困惑…

・具体例①「任せるから適当にやっておいて」

「任せる」とは一見相手を信頼しているようで、「適当にやって」という無責任な丸投げ状態。

たとえば、見知らぬ土地で車のキーを渡されて、ナビのついていない車で「どこでも好きなところに行っていいよ」と言われたら、楽しいドライブというよりは、目的地のない不安な旅になります。同じように、「適当にやっておいて」という指示は部下にとって恐怖です。

・具体例②「とりあえず企画書出して」

いつまでに必要なのか、誰がチェックするのか、どんな形にするのかという大切な点が抜けています。「とりあえず」でいいのか、と企画書を出しても、「的外れ」「センスがない」という評価を受ける可能性大です。

上司としては出させてから修正するという考えかもしれませんが、不慣れな部下は試行錯誤して時間を費やし作成します。そこから修正が加わるため、“とりあえず”は大きなストレスになることも。

・具体例③「もしかしたらお願いするかも」

このような、準備しとくべきな段階なのか?状況を伝えただけなのか?意図が分からない予告はコミュニケーションがうまくいかなくなる原因です。

結果、ギリギリになって慌てて取り掛かり「意図していたものと違う」と言われてしまう可能性大です。

このような上司は、判断するのが苦手で、決定を先延ばしします。人はいいのですが、優柔不断で周囲は振り回されてしまいます。

2.曖昧な指示を貰ったらどうする?対処法を解説

・具体例①「任せるから適当にやっておいて」の対処法

適当にやってと言いつつも、上司が満足できるものができなければ文句を言われるか、「他の人に頼むからもういいよ」と言われてしまう可能性があります。

「適当」というのは、「いい加減にやっていい」ということではありません。

上司の意図を汲み取る必要があります。実際には丸投げの無責任上司でも、「任せるから」と言われたら、自分の裁量で動けるチャンスであるとプラスに考えましょう。ただし、期間と仕事の量だけは指示をもらう必要があります。

「いつでもいいからやって」「手が空いたらやって」といった答えが返ってくるときは注意が必要です。

期限は明確にしてもらう必要があります。もちろん、上司からはある程度の権限をもらえるように頼んでください。
そして、中間報告は忘れずに。最低限の情報や数値目標などきちんと報告し上司と情報を共有します。中間報告を怠ると、間違った方向に進んでしまう可能性があります。

・具体例②「とりあえず企画書出して」の対処法

まず、企画には目的があること、そして何らかの課題を解決するためのものだということを覚えておくのはよいことです。

ターゲットは誰なのか、
何の目的なのか
背景を考えてみてください。

たとえば、高級車のメルセデス・ベンツが日本で驚くようなマーケティングをして話題になったことがあります。
六本木のショールームに隣接するレストランで、あろうことかラーメンを販売したのです。高級車ベンツとラーメンという突拍子もない組み合わせはセンセーショナルで、ベンツへのイメージを良い意味で変えることに成功しました。この時の企画の目的は集客でした。
この時、担当者は集客という目的の真の意味を考えたのです。普通の宣伝をしたところで話題にはなりませんし、集客にもつながりません。
日本で展開していくためには、一部の富裕層だけでなく、庶民の支持も得る必要があります。つまり、ベンツ=お金持ちというイメージを払拭する必要があると考えたのです。ただ単にラーメンを販売したから庶民的だ、というわけではなく、ベンツの持つイメージを親しみやすいものにするという真の目的を捉えたのです。

このように、企画を立てる際には、克服すべき課題と目的を考えます。そうすれば企画は的外れなものにはなりません。自分で考えても分からなければ、素直に上司や先輩に聞けばよいのです。聞くことを恐れる必要はありません。

・具体例③「もしかしたらお願いするかも」の対処法

決定を下すことが苦手な上司には、グズグズ先延ばしにさせるのは逆効果。「もしかしたらお願いするかも」と言われたら

「誰がするのですか?」
「期限はいつですか?」
と質問し、その場で上司の答えを引き出します。

「まだ分からない」
「決定事項ではない」と言われたら

「いつまでに分かりますか?」と聞いてみましょう。

上司にズケズケ聞くのは気が進まないなら、
「ギリギリになると大変なので、間に合わなくなるといけないので早めに教えてください」
と上司の指示を待つという態勢にしておけばよいのです。

こうしておけば、あとは上司の責任になります。もし、余裕があるなら、「お願いするかも」と言われた段階でやってしまうというのも一つの手です。期限ギリギリになって言い出したら「やっておきました」と言えばいいのです。曖昧な上司に合わせてもイライラするだけなので、場合によっては自分から動いてしまうこともできます。

3.指示を貰うときに抑えておくべきポイント!

自分が知りたい情報を整理してまとめ、

たとえば
「いつ」
「誰が」
「いつまでに」
「どんな目的で」など、

簡潔に聞きだすと容易に理解できるようになります。指示が曖昧な上司に対して、曖昧な質問をしても効果は得られません。すべて相手に丸投げするのではなく、質問する前に自分の考えやアイデア、解決策をまとめておくようにします。

指示を仰ぐ時には、相手は上司だということを忘れずに「お時間よろしいでしょうか」と相手の都合を伺いましょう。「先日のプロジェクトの件でご相談したいことがあるので、30分ほどよろしいでしょうか」と気遣いを示すことも大切です。また、指示を仰ぐ際には必ずメモを取り、後で行き違いがないように気をつけましょう。

4.そんな上司とうまく付き合う心構え

上司の性格もありますが、忙しくて焦っている時、他に気がかりなことがある時などに曖昧な指示を出してしまうこともあります。質問して機嫌を損ねると面倒ですから、上司の機嫌や仕事量を見て、質問するタイミングを考えましょう。もし、質問すると怒るような気の短い上司であれば、メールで質問するとよいでしょう。その場合、プロジェクトの参加メンバーや、信頼できる先輩などもCcに入れておくと安心です。また、その上司と付き合いの長い先輩に相談するのもおすすめです。「このように言われましたが、どういう意味でしょうか?」「具体的な指示がない場合はどうすれば良いでしょうか?」と先輩の知恵を借りましょう。

指示が曖昧な上司に対しては、見方を変えてみることもできます。「ダメな上司」と考えるよりも、「自分は信頼されている」と考える方が仕事のモチベーションが上がります。指示待ち人間にならなってはいけません。上司の指示の曖昧な部分は自分で考えます。簡単な資料を作成し「このように進めたいと思いますが、よろしいでしょうか?」と指示を仰ぎましょう。もし、間違えていても仕事への意欲ありと見てもらえます。

指示が曖昧な上司=悪い上司とは限りません。仕事は自分次第です。曖昧な指示しかもらえなくても、上司の意図を汲み取ったり、企画の目的や課題を正しく判断するための訓練です。スキルアップの機会だと考えるのです。1から10まで細かく指示してくる上司よりも、曖昧な指示を出す上司の方が仕事はしやすいものです。あまりストレスをためず上手に付き合っていけるといいですね。