積極的に使いたい! 職場で良好なコミュニケーションを築く「褒め」力



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自己肯定力も低め、人を褒めることも苦手な日本人

退職を決意した人の多くが、その理由に「人間関係」というワードを出します。これだけ働く環境を良くしようと社会的な取り組みが進んでいるのに、その理由が減ることはありません。生活の大半を閉める職場では、環境はもちろん人間関係が良好か否か、はとても大事なことなのです。

日本人は海外の方々と比べると、自分を認めるという自己肯定力も低く、そして人を褒めることに対しても苦手意識を持っている方が非常に多いです。「今日もステキだね!」「良い1日に」なんて挨拶をすることって本当に少ないですよね。けれど、そう言った心地の良い言葉を聞いて不快に感じる人はいません。こういったコミュニケーションがあれば、1日をご機嫌に過ごすことができ、オフィス環境が変わっていなくても、前向きに仕事に取り掛かることができるようになります。

オフィスでイヤフォンをつけている人が増えたり、それぞれの仕事を全く把握していない状況が長く続いていると、それは危険信号かも。人間関係を良好にするためにもオフィスで雑談を、なかでもお互いが楽しく仕事をこなせるように「褒める」コニュニケーションを増やしていきましょう。

男女ともに使える、「褒める」力を高めよう!

洋服や小物などのアイテムを「褒める」

どんな関係性にも関わらず、見た目はとても褒めやすいポイントです。スーツがびしっと決まっている男性には「今日のスーツ、キマってますね!」「◯◯さんって、いつもセンスが良いですよね」。同僚には「そのスカート、似合ってるし可愛い!」というように。

身につけているアイテムに、その人の好みが現れるのです。新品の洋服を身につけたとき、友達に褒められると嬉しくなりますよね。この人とは好みが近いのかも、と親近感も覚えてもらうことができます。このような、ちょっとした褒めを日常に散りばめていきましょう。

質問形式で「褒める」

「どうしてそんなに仕事が早いんですか?」「どうしたら◯◯さんのような仕事の進め方ができますか?」というような質問形式で相手のことを褒めるのもオススメです。タイミングによっては、「こんな工夫をしているよ」というようなアドバイスをもらうこともできるかもしれません。

質問形式を使うことのメリットは、わざとらしくなりすぎないこと。そして質問をすることで、ちゃんとした会話が生まれることです。通常であれば「そんなことないよ」や「ありがとう」というようにサラリと流されてしまうかもしれません。ですが、あえて質問を投げかけることによって、相手は自分と対話をする姿勢をとるようになります。さらりと会話の中に取り込んで相手を褒めることができますよ。

嫉妬も相手に伝えることで「褒める」になる

自分より能力が優れている人に対して“嫉妬”という感情が生まれることがあります。けれど、この嫉妬という感情は、持つこと自体が悪なのではありません。自発的に生まれる感情を否定し、しないと決めることは不可能なのです。けれど、この嫉妬という感情は相手に堂々と伝えることによって「褒める」言葉になるのです。

「◯◯さんみたいな能力、すごく羨ましいです」というように、相手に素直に伝えてみましょう。心の中に閉じ込めるより、言葉に出した方が相手との距離も近づきます。

感謝の気持ちを伝えながら「褒める」

「あなたがこうしてくれたおかげで、うまくいきました」というように、相手に感謝の気持ちを伝えながら褒めることも大切です。相手を尊敬・肯定することで、気持ちよく次のモチベーションに繋げることができます。とくにこうした言葉を伝える時には、人前を選ぶのが効果的。人前であえて伝えることによって、報告と似たような効果があり、周囲への認知も広がるから「やってよかった」と思ってもらえるようになるのです。

相手が部下の場合は特にこのようなコミュニケーションを意識してみましょう。周囲のメンバーも「自分もがんばろう」と思ってくれるようになります。

本人に直接言わなくても「褒める」を使う

「◯◯さんが、あなたのことを褒めていたよ」と人づてに聞いて、嫌な気持ちになる人はいませんよね。このように、あえて人を介すことによって言葉に信憑性が増すことがあります。より本音として、受け取ってもらえるのです。この場合、言われた相手だけではなく、言った人、仲介として伝えた人、みんなが良い印象になるという嬉しい効果があります。
このような会話が増えることで、チーム内に良い空気が流れ、よりコミュニケーションが円滑になりますよ。

仕事の依頼もしやすくなる

「これ、お願いできる?」と言われるより「この仕事は◯◯さんにお願いしたいと思って」と伝えた方が、自分のスキルを必要とされていることがわかり、受け手のモチベーションも上がります。

「調べもの得意だよね? この仕事をお願いしたいんだけど」というように自然と相手のことを褒めることで仕事の依頼がしやすくなるのです。こういった小さなコミュニケーションを面倒くさいと思わずに、なるべく増やすように心がけていきましょう。それによって、さらに仕事が効率よく進むようになります。

注意するべきはシチュエーション(相手・場所)

とはいえ、「褒める」にも注意するべきタイミングというものがあります。相手がどんな人なのか、そして今その言葉を発するのは正しいものなのか。シチュエーションを誤らないように気をつけましょう。

例えば、残業中の事務職の方に「仕事が早いですね」の一言は、ときに命とりのワードとも言えます。事務職の方の先天性の欲求の一つとして「早く仕事を終わらせたい」「早く帰りたい」と言う願望があるからです。残業している現在の状態は、解放を求めて仕事を早く終わらせようとしているだけ。

本当は「もっと早く依頼してくれていれば、こんなことにはなっていなかったのに!」なんて思われないように気をつけましょう。

「褒める」と「褒められる」の連鎖を作って、居心地の良い職場に

いかがでしたか?
人は、誰かに認められたいという気持ちや自分の努力を評価されたい、理解されたいというような欲求を持っています。そのような欲求は自分一人で満たすことはできず、他者とコミュニケーションを取ることによって満たされるのです。

褒められていやな気分になる人は少ないですし、褒めるコミュニケーションは積極的にとっておいて損はありません。褒めることが増えていくと、不思議と褒められることも多くなります。これによって職場の空気も明るいものになります。オフィス改善や制度の変更はもちろん大切ですが、人間関係に関しては、個人の意識を変えることが第一。お互いに気持ちよく仕事に向かうことができるよう、良い関係をつくっていきましょう。