ロールモデルが居ないからどうすればいいかわからない…
今の職場の悩みは何ですか? この問いに「ロールモデルが居ない」と答える人の多さに驚きました。人事労務用語辞典によると、ロールモデルとは、自分にとって、具体的な行動や考え方の模範となる人物のこと。ようは、「あの人になりたい」と目標とする人物をつくり、その姿を模倣することを指します。働く女性が増えたといわれる今の時代でも、男性に比べるとまだまだ女性……特にロールモデルとなるようなマネージャー層に、女性が少ないのが日本です。キャリアを形成していく中で、モデルとなる人物がいないことが働く女性にとっての悩みのタネになっているのです。
ロールモデルって本当に必要?
ロールモデルがいるメリットって?
①自分との能力差を理解できる
見本があるということで、自分との違いをハッキリと認識することができるようになります。その違いを理解し、埋めていくこと(努力すること)で具体的なキャリアの組み立てができるようになるのがロールモデルがいる大きなメリットともいえるでしょう。
②ライフステージによる変化への不安が解消できる
女性の活躍が進んでいる今ですが、結婚・妊娠・育児・介護などのライフステージによる変化へ会社がどう対応してくれるのか、ライフワークバランスがとれるかどうかが悩みになっているケースも多いです。実際に仕事と育児の両立を叶えて働いていたり、ライフワークバランスが取れているロールモデルという存在が、その不安を解消する手立てになります。
③憧れの人を身近に設定することで、モチベーションを保つことができる
憧れの人が身近に居るというだけで、日々のモチベーションを保つことができます。
ロールモデルがいるデメリットも
社内でロールモデルを見つけるのは難しいのが現状…。
実際に社内でロールモデルを見つけようとしても、なかなかそれに該当する人がいないのが現状。女性が憧れる女性とは? と質問されても、全員が全員それに当てはまるわけではないのが理由です。女性の働き方や、働く目的、理想のイメージには幅があります。特定の女性をロールモデルだと社内で示すことによって「自分ちは違う」と感じられてしまうことも。
模倣するだけで解決するのがキャリアじゃない
尊敬する上司を模倣して、キャリアの道筋とすることで少しの安心感は得られるかもしれません。とはいえ、模倣するだけでうまくいかないのが仕事の実情。「ロールモデルとなる人のマネをすることだけに気を取られ、自分らしさや新しい発想を失ってしまっては意味がない」と考える人もいます。
社内にロールモデルがいなくても大丈夫!
メリットもあればデメリットもあるロールモデルという存在は、会社という組織の中に見つける必要はありません。社内で「こうなりたい」と思えるような同性、かつ先輩がいることは幸運なことですが、人には相性があります。ロールモデルを決めてしまうことによって、後輩の個性を失ってもしまうことさえあります。セミナーやコミュニティなど、社外活動でもロールモデルとなる人を見つけることは可能です。むしろ、「憧れの人」は身近すぎない方が、憧れのままで入られます。
ロールモデルは複数いてもいい
またロールモデルを「1人に設定しなくてはいけない」といったルールがあるわけでもありません。多数の人物からそれぞれの良いところを取っていくことによって、自分らしさをキープしながらキャリアを作っていくことができます。
たとえ、社内で一人目の妊婦になったとしても、外部にロールモデルという存在を複数作っておけば、新しいルールづくりの参考にも、アドバイスをもらうことだってできます。
少々心苦しいですが「中途半端なロールモデルであれば、いない方がマシ」という声を耳にすることもあります。ロールモデルがいないと嘆く声がある反面、いることに悩む人もいるのです。あなたの現状をどう捉えるかはあなた次第。誰かの模倣をするでなく主体的な動きで、ロールモデルになり得る自分を積み重ねていきましょう。