雑談から生まれる新たな仕事
みなさんの職場、あるいはチームでは雑談を多くしているでしょうか? もしかしたら、 仕事中に雑談しにくい雰囲気があってやりづらい…というところもあるでしょう。しかし、何気ない雑談が生産性を向上させる効果があります。
例えば、テレビの話題で「昨日こんな番組があって~〇〇が面白かったんですよ~」というよくある会話ですが、ここから「面白い! うちにもこんな企画入れてみたい!」なんて、アイデアが生まれることがあります。案だし会議では出なかった突拍子のないアイデアは雑談をしている環境だからこそ出てくるのです。思い付きが思わぬビジネスに発展した例は多くあります。
また、社外の人とチームを組んでいる場合でも、仕事の用件だけではなく、何気ない雑談をチャットツールを通じてチーム力を高めていくことで、外部の人たちだからこそ知っている情報も共有してもらえたりもします。
成功できる人は、心理面で安心できる仲間がいるから
どんなチームが一番生産性が高いのか? 気になりますよね。
Google(グーグル)では、自社のチームを調査して、生産性が高いチームが持つ共通のパターンを追求し、「Aristotle(アリストテレス)」というコードネームのもとプロジェクトを開始しました。その結果、経験豊富な人材で共通の趣味があり、報酬も良いチームよりも、他のメンバーへの気遣いや配慮と共感といった「心理的安全性」というメンタル部分が確立しているチームにこそ、生産性が高いことがわかったのです。片方が喋り、片方は黙るのではなく、みんなが自然と同じ量を発言していればチームが成功するとのこと。
仕事の仲間は、家族よりも一緒にいる時間が長いのです。そこで本来の自分を出せない環境にいたとしたら、いつかは働くことが嫌になってしまう。信頼できる仲間と仕事ができたらどんなに幸せなことでしょうか。
オフィスで雑談がしやすい環境づくり
雑談をした方が良いのはわかったけれど、静かなオフィスではなかなか声を発しづらいといった、オフィス環境の問題が課題にあります。
「他の人たちに迷惑をかけてしまいそうだから」「あの人、暇なんだな」と、思われるのが怖くてなかなか口を開くことができません。これは、あくまで筆者の経験からのお話ですが、仕事に1点集中するよりも適度に雑談しながらの方が順調に進みます。そして、2つのことを同時に進める器用さもアップするのです。静かな環境で声を発するのは勇気が必要かもしれませんが、案外話し続けると周りも会話し始めて賑やかに。
とくに、上司の場合は積極的に部下に声をかけてみると良いでしょう。部下とよくコミュニケーションをとっている上司は、部下からも話しかけやすいです。もちろん、このコミュニケーションは仕事ではない雑談のこと。飲み会ではなくても、オフィスでも親睦は深めることができます。
雑談のとらえ方を改めて!
働き方改革で「長時間労働の是正」が話題になっています。その為か、生産性を向上させるために雑談はせず着々と作業をしろと指示されている会社もあるでしょう。しかし、必要最小限の会話のみでは、生産性が向上するとは限りません。むしろコミュニケーション不足によりミスが起きてしまうこともあります。人は機械ではありませんから、適度な小休憩が必要なのです。
仕事ができる人は、お喋りな人が多い。たくさんの人と会うため、自然とコミュニケーション能力も身に付けています。そんな人は、静かな場でも声を発する力があるのです。
みなさんの職場では、雑談がしやすい環境ですか?
生産性向上のヒントは、オフィスに隠れています。一度、雑談のとらえ方を見直してみてはいかがでしょうか。