【連載】ココシャネルに学ぶ「時代をつくる女の生き方」♯6



誰もやらないことをやる

シャネルが取り入れることは時代の先を常に見据えたものでした。なかでも、群を抜いてその才能を発揮したのがファッション。例えば、フランスでは19世紀当時は女性が男性の服を着るということは、ほとんどありませんでした。

多くの女性は、当時もコルセットで体をギュウギュウに締めつけ、煌びやかなドレスに身をまとい、たおやかな仕草であることが、いわゆる当時の女性としての普通の振る舞いでした。上流貴族の高貴な遊びである乗馬でも、女性はズボンの上からドレスを履いて足を見せることはありません。馬にまたがるなんて、もってのほか、鞍の上で上品に横座りするものでした。

でもシャネルはそれが無意味だと感じたのでしょう。男性用の服を自分のサイズに仕立ててヒラリと馬にまたがるのです。それは周りに注目を浴びたいとか、誰よりも先をいきたいとか、そういった考えではなく、恐らくは当時にはびこる“服は豪華に着飾る”こと自体、シャネルにとって必要なものではなかったのではないでしょうか。

それに乗馬を純粋に楽しむなら、動きやすい男性服を着て馬にまたがるのが、むしろ自然な在り方。誰が何を思うかより、自分がどう在りたいかを大切にするのがシャネルなのです。

控えめな美しさは、賛否両論。瞬く間に注目の的に。

男装したシャネルを見たまわりの人々は驚き、途端に「なんて女なんだ!」と、噂の的に。そしてそれは乗馬服だけでなく、彼女が自分で仕立てるドレスへの評価も全く同じものでした。

いわゆるコルセットをつけ、流行のデザイン、シルエット、生地、身につける小物の豪華さなどは一切無視。決して華麗とはいえない、質素で地味。だけれど、それが良くも悪くも周りの目からは「斬新だ」、「控えめな装いが逆に美しい」と賞賛されることもあれば「地味でつまらない」と評価を受けることもあったそう。良くも悪くも、彼女の身につける服・行動全てが社交界で何よりも旬な話題となっていくのです。

服装から「自由」を切り開く

シャネルはエティエンヌのもとで豊かな暮らしをしていても、心のどこかで不自由な気持ちがあったのかもしれません。頼るあてが、お金持ちの愛人に変わったというだけで結局は自分の力で、自分の生活を安定させているわけではないから。

与えられた環境を活かし、自分が望む「自由」を実現させたい。そう考えた時にシャネルの身近にあったのがファッションでした。縛られた目に見えないルールを破り、自分が良いと思う服を着る。ただ、それだけのことですがそれが彼女にとって、そのとき唯一表現できる自由だったのではないでしょうか。

あなたにとっての自由とは何?

自由という言葉は、自分が自分であることに理由をつけることでもあります。何をやっても許される状況が自由というわけではなく、自分の力で自分の考えを実現化させていくことが「自由」の正しい在り方。そのために必要な、あなたらしい強い軸を持ってください。

シャネルは、自分らしい装いを貫くことで表現の自由を手に入れました。そして、それが周りにとって大きな影響を与えたのです。彼女をはじめとし、数々の女性がなんとなく倣っていたあらゆる慣習に疑問を持ち始めていきます。

あなたは、世の中に伝えたい自分自身の思いがありますか?
そして、それをどう表現していきますか?

ぜひ、あなたが思い描く望む未来へ、忠実に生きるための強い軸を見つけてくださいね。