「Ole Ua, ‘Ole Anuenue(雨が無ければ、虹はない)」 ウーマンダイアローグ#6



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今回のゲスト♡ ヨーコ・フジワラさん

東京出身。2005年にハワイへ移住し、2006年よりホノルルを中心にヨガを教える。サンガワイ代表。2013年よりハワイにてヨガティーチャー育成を始める。

パープルヨガハワイのキャシールイーズ・ブローダのもとアシュタンガ・マイソール弟子入りを含め、マンジュー・ジョイスのプライマリー及びセカンダリーティーチャートレーニング、その他マタニティヨガ、キッズヨガのトレーニング等も修了している。

サンガワイのメイン講師としてトレーニングを遂行する一方、パープルヨガハワイにてマイソールクラスを受け持ち、日々アシュタンガヨガを伝える。

インタビューする人♡ 渡辺彩季

京都府出身、東京在住のフリーライター。
女性をターゲットにしたメディアを中心に美容、ファッション、ライフスタイルなどの幅広い記事を執筆中。
美容が大好きで、コスメコンシェルジュ、全米ヨガアライアンス、アロマテラピー検定1級などの資格を取得。

ウーマンダイアローグ#6 【Sanghawai/ヨーコ・フジワラ先生】

渡辺:今回はハワイでヨガインストラクターをされている、ヨーコ・フジワラ先生をゲストにお招きしました!私自身、2015年にハワイにヨガ留学をして「全米ヨガアライアンス」の資格を取ってきたのですが……実は、そのときにお世話になった先生です。今回は、授業では学べなかった「ヨーコ先生のお仕事について」いろいろ教えていただければと思います。まずは、現在の仕事の内容を教えてください!

ヨーコ:今は基本的にハワイにあるパープルヨガスタジオでヨガクラスを毎日教えていて、その他にサンガワイのティーチャートレーニングを年に3回しています。また、年に1回日本に帰国してワークショップを開催しています。

渡辺:パープルヨガスタジオでは、どれくらいの頻度でレッスンをされているのですか?

ヨーコ:ティーチャートレーニングと日本でのワークショップ開催期間以外は基本的に週6日! マイソールクラスを夕方に1コマやっています。あとは、朝にホテルのプールサイドで宿泊者向けに開催しているヨガレッスンで教えています。

渡辺:週6! ほぼ毎日ヨガを教えているのですね!1日のスケジュールはどんな感じですか?

ヨーコ:朝にホテルで教えて、午前中はスタジオで自分の練習。そのあと夕方のレッスンは16:30にスタジオに入ります。空き時間は、プライベートレッスンをしています。

渡辺:すごい! まさにヨガ三昧ですね♡

「ヨーガ・スートラ」を手に取って、ヨガをはじめました

渡辺:ヨーコ先生とヨガの出会いについて教えてください。

ヨーコ:ヨガとの出会いは完全に思いつき! 当時日本でOLをしていたんだけど、なにか新しいことをはじめてみたいなと考えて、ヨガか座禅をしたいと思ったの。そして、本屋に行ってヨガと座禅の本を手に取ってみて……そこで読んだのが、ヨーガ・スートラ!

渡辺:おお! のちにサンガワイのティーチャートレーニングの教材にもなる、ヨーガ・スートラだったんですね!

ヨーコ:そう。あれこそヨガの真髄! ヨーガ・スートラを読んだことをきっかけにヨガをはじめることにしたの。そのとき日本でヨガブームが来てたから、フィットネスクラブとかでも気軽にレッスンを受けることができて。どっぷりやり始めるようになったのは、ハワイに引っ越してから。日本にいるときは普通のOLだったから、会社帰りや休日にレッスンを受けたりしていました。

渡辺:最初は生徒として、少しずつレッスンを受けていたのですね。

ヨーコ:それからヨガがすごく好きになって、もっと勉強したいと思いました。でも当時日本では今ほどいろいろなサポートもなくて……ワークショップもこんなにやってなかった。だから、ヨガをもっと勉強したいと思ったらティーチャートレーニングを受けるべきだって。それで、ハワイに引っ越したタイミングで仕事をやめて、時間が空いたからティーチャートレーニングを受けました。

インストラクターは天職 “ヨガオタク”だったから!

渡辺:インストラクターになったきっかけは?

ヨーコ:一番は、私が英語と日本語を話せるから。ハワイは日本からの観光客も多いし、特にワイキキではバイリンガルの需要がすごくある。それで、「ヨーコ、ヨガを教えない?」と話を振ってもらったの。私は倫理的な人間だから、「なんでこうなるのかな?」と突き詰めていくうちに説明ができるようになったんだよね。ヨガが好きすぎて……いわゆるオタクになって(笑)。そうなると、やっぱりヨガインストラクターは天職だったと思う。

渡辺:実際に自分が練習を頑張っているから、その過程をシェアできますものね!

ヨーコ:そうそう。好きなことって人から聞かれなくても自分で研究するじゃん? それでやっぱり上手くなるんだよね。実際に自分もたくさん練習をしていたから、体の使い方や生徒側の気持ちも分かるし。

渡辺:たしかに興味のあることであれば、自分から調べるようになります! それに「やらされて、やらされて……」という感じになってしまうより、自分自身が興味を持って探求した方が楽しいですものね。

ヨーコ:あなたもコスメとかファッションが好きでしょう? 自分で調べるから、持っている知識を記事という形でアウトプットすることができる。私の場合はそれがヨガだった! だから、最初は先生をやろうと思っていたわけじゃなかったの。自分が好きで極めていたら、周りに教えてほしいって言われてインストラクターになったの!

ヨガを教えることは本当に好き! ……でも、練習はもっと大好き!!

渡辺:ヨーコ先生が、1日にヨガの練習をする時間はどれくらいですか?

ヨーコ:大体アーサナ(ポーズ)を2時間、そのあとにプラーナヤーマ(呼吸法)の練習を1時間くらい。なので、自分の練習は毎日3時間くらい。私は、とにかく練習が大好き♪

渡辺:す、すごい……(驚愕)。日本のヨガインストラクターで毎日3時間も自分の練習時間を確保している人は、あんまり見かけませんよ。生徒に教える時間でいっぱいいっぱいで、自分が長時間練習するのは研修期間だけのイメージが強いです。

ヨーコ:私は自分が練習する方が好きだから(笑)!

渡辺:教えるよりも練習する方が好きなんですか?

ヨーコ:教えるのもすごく好きだよ、でも練習はもっと好き! これからも毎日の練習は、しっかり続けていくつもり。

ハワイでは自分らしさを開放できる!

渡辺:ヨーコ先生はハワイに移住して、どれくらいになりますか?

ヨーコ:13年。なんでハワイがいいのかって聞かれると、自分自身日本に住んでいて……やっぱりどこか潰されそうだったんだよね。日本は競争社会だから「いつも負けない!」と気を張って生きているというか。仕事のキャリアとかもそうだけど、見た目とかの競争とかも。

渡辺:日本は、スクールカーストやマウンティングに悩まされている人も多いですものね。

ヨーコ:私は街でもこのヨガウェア姿で歩いちゃうの! 日本だとすれ違う人たちにジロジロ見られてしまう。もし、その人たちがそういうつもりじゃなくても、私としては心が折れるの。でも、そこで私は無理にフェミニンな服を着ようとは思わない。反抗心があるから「絶対このままヨガウエアを着てやる!」って(笑)。自分のなかで勝手に心の葛藤をはじめちゃうんだよね。

渡辺:たしかに日本の女性はトレンドをすごく気にするし、比較的コンサバやフェミニンななど、きれいめの服装を選んでいる方が多いですよね。

ヨーコ:私らしくいたいのに。みんながそういう目で見てくるから、どんどん追い込まれちゃうんだよね。そうすると心が折れて、いっぱいいっぱいになってしまう。まぁ、心の持ちようや捉え方ひとつだから、私の問題でもあるんだけどね。東京は世界的に見ても美意識とかの基準が高いと思うの。それに比べてハワイは真逆! みんなショートパンツにビーサンですごく自然体で。もし、バッチリ化粧をしてたら「今日は特別な日なのかな?」って思うくらい。そういうところだから、私の恰好も普通に馴染むし、片意地をはらなくて済むの!

渡辺:自分に合った環境って気持ちが楽ですよね。階級を気にしてストレスを抱えているなんて、もったいないですもの。

ヨーコ:人間として、自分の生きたいように生きればいいのにね。服装やスタイルもみんなが個々の“好き”を貫いて、周りも受け入れればいいのに……なんとなくステイタスを踏まえているところが私は辛かったの。その縛りがハワイに住むことによって外れたと思う!

渡辺:全然違いますか?

ヨーコ:全然違うよ。今、年に1度日本に帰ってきているけど、そのたびに昔感じた気持ちを思い出すの。そのつもりはなくても……日本にいると無意識のうちにランク付けをしてしまっている。でもハワイでは、自分らしくそのまま生きていればいいんだって思える。

渡辺:ありのままの自分でいられる場所って居心地がいいですよね。息苦しいと感じるなら環境を変えてみるというのはとっても大切なこと。それだけでストレスがなくなる場合も多いと思います。

ヨーコ:彩季ちゃんと私も“ヨガが好き”と言う部分では共通しているけど、全然ちがう人間じゃない? でも私は彩季ちゃんみたいにならなくてもいいし、彩季ちゃんも私みたいになろうとしなくていい。それで私たちはお互いに幸せだし。

渡辺:お互い干渉しなくても仲良くすることはできますしね。

ヨーコ:そういうこと! 私は縛りのないハワイでだからこそ、教えることができるのよ。私みたいに生きればいいと生徒に伝えたい!

ティーチャートレーニングをはじめた経緯

渡辺:ヨーコ先生はサンガワイの主催者としてティーチャートレーニングもされていますが、はじめた経緯を伺ってもよろしいでしょうか?

ヨーコ:ヨガをやっていくうちに自分が救われたんだよね。ヨガをすることによって私の人生は豊かになったの。それを人にシェアしたいと思うようになって! ただ単に「幸せになれますよ」というだけでは怪しいと感じる人も多いだろうし、ヨガアライアンス認定のヨガティーチャー資格であるRYT(Registered Yoga Teacher)なら、みんな安心して受けることができるかなって。

渡辺:ヨガインストラクターを目指している人なら、全米ヨガアライアンスの資格を持っていることは強みになりますものね!

ヨーコ:きっかけは、資格目当てでもいいの。でも参加したら、すごく貴重な体験をさせてあげるというのが私の目的!

渡辺:たしかに私自身、サンガワイのヨガ留学プログラムに参加しましたが、人生経験になったし全部ひっくるめて行ってよかったなと思います。もちろん、すごく大変なことや辛いことがたくさんありましたが。とても濃い3週間だったので、人生のターニングポイントになりました。

ヨーコ:そうなの! 人生って楽なことばかりじゃないじゃん。辛いこともたくさんあるじゃん? でもそれを乗り越えられる力を覚えられる。それがやっぱりトレーニングのメリットだと思う!

渡辺:ヨガのインストラクターって元々は悩みを抱えて辛かったけど、ヨガをすることで救われたから、今度は自分が教える側になってヨガの良さをシェアしたいという人が多いですよね! あとヨガを自分自身が続けていきたいから、もういっそ仕事にしてしまおうとか。

ヨーコ:だから結局はヨガの強さってそういうところなんだよね。ヨガって終わった後に「あ~気持ちよかった!」「スッキリした!」って感覚があるじゃん。ストレスや悩みがあって、そこの入り口から進めていくと人生の深さが分かってくる。考えとかさ。

渡辺:私はナーバスになった日でも、ヨガのレッスンに受けている時間は夢中になれるから、救われています。きっと退屈でボ~っとする時間があったら考えてしまうんですよね。ヨガスタジオでたくさん動いたあと、最後にシャバアーサナ(ポーズの名前)をすると本当に気持ちいい。心を無にする時間がデトックスに繋がっているのかな? ライターという仕事は、基本的にデスクに座りっぱなしなので、自分から体を動かすきっかけを作らないと運動不足になるし……。汗をかく習慣も健康にいいので続けるようにしています。

ヨーコ:内側と外側ってくっついているからね!

渡辺:体を動かすと心もポジティブになりますしね。

ヨーコ:理由は何でもいいと思うんだよね。仮にブームに乗ってファッションの一部で始めた人もヨガの魅力に気付いてくれたらうれしい。サンガワイでは哲学や解剖学も勉強するので、なんで気持ちよかったかを根本的に学ぶことができます。

渡辺:大人になってから、3週間みっちり集中して勉強する機会ってなかなかないから、今思うと不思議な時間でしたね。自分のためだけに学ぶ時間を作るということは、とっても貴重でした。

ヨガ初心者におすすめのアドバイス

渡辺:ヨーコ先生から、ヨガ初心者におすすめのアドバイスはありますか?

ヨーコ:まずは、好きなインストラクターを見つけること。初心者は1人でヨガをするよりもインストラクターに教えてもらったほうがいい。どんなに難しくても先生が好きだったら続けられるから。先生の言っていることが分からなくても「分かりたい」という気持ちを持つことで次に続く!

渡辺:たしかに。インストラクターとの相性は大事ですよね。

ヨーコ:スタジオの敷居が高かったら、ジムでも公民館でもいい。どこでも体験レッスンって大体やっているから、試しに行ってみたらいいと思う。自分に合ったインストラクターに出会ったら、きっと通い続けたくなるはず。

今後は、卒業生をもっと育てたい!

渡辺:スタジオでのレッスン、ティーチャートレーニング、そしてワークショップ! 手広くヨガを教えているヨーコ先生の今後の目標を教えてください。

ヨーコ:サンガワイでティーチャートレーニングを受けた卒業生を、もっと育てたいと考えています。3週間のプログラムを入り口にして、私はその先にもっと連れていきたい。卒業後も生徒たちと一緒に学べる場があったらいいなと。今後は、ハワイで自然と触れ合うリトリートなどの計画を立てていきたい!

インタビューを終えて…

ストイックで芯の強い女性。
今はそんな印象のあるヨーコ先生ですが、日本で生活をしていたこれまでは、周囲の人と自分を比較したり、物事をネガティブに捉えることが意外にも多かったと言います。いま自分がいる世界が全てだと感じている人は、まず自分のいる場所を変えることも一つの手段なのかもしれません。

「Ole Ua, ‘Ole Anuenue」
雨が無ければ、虹はない。
困難と向き合ったからこそ、人は強くなるし幸せを噛みしめることができます。
乗り越える力を身に付けて、悲しみや苦しみを感じるたびに自分をアップグレードしていきましょう。

ヨーコ先生のお話にもあったとおり、心と体は繋がっています。
皆さんも夢中になれるもの、自然体の自分が出せる場所で、時々心の休養を取ってあげてくださいね。本屋で出会った一冊の本が、自分の運命を変えることもある。ヨーコ先生があの日本屋で手に取った1冊が、ヨーガ・スートラで本当によかった。