『同一労働同一賃金』って一体なに? 正社員も非正規社員も知っておくべきメリット・デメリット



ニュースでよく耳にする『同一労働同一賃金』ですが、いまいちよく理解できていない人も多いと思います。しかし、大手企業では2020年の4月には施行されることが決定、日に日に近付いてきています。

会社員もパート・アルバイトの人も、社会に出ていれば誰もが関係する制度。関係がないなんて思わず、今一度ポイントを押さえておきましょう。

『同一労働同一賃金』って?

同一労働同一賃金は『働き方改革案連法』というものに含まれていて、2018年6月29日に成立しました。これにより、大手企業では2020年の4月、中小企業でも2021年4月からは導入されていくことが決まっています。
基本給だけでなく福利厚生や休暇や賞与といった様々なものについて、正社員や非正規などの雇用形態に関係なく、統一される制度です。

日本では、正社員とパートや派遣で、同じ仕事をしているのにもかかわらず雇用形態が違うために、給与からキャリア形成までもが待遇が異なることが問題となっています。現在、パート・アルバイトの非正規雇用の割合は37.3%と高水準になっていて、非正規労働者の時給は正規労働者の時給の70%程度しかもらえず、ボーナスや退職金といった各種制度や教育訓練などにも大きな格差があるので、それを無くそうと政府が動いているのです。

どんなメリットがあるのか?

では『同一労働同一賃金』が改正されることにより、どのようなメリットがあるのでしょうか?

メリット①非正規労働者のモチベーションがアップする

正社員で働きたいと思う理由で一番にあげられるのは「賃金の格差」。正社員の平均生涯賃金は2.7億円と言われていますが、非正規になるとそれが0.7億円……つまり1/4も少ないのが現状なのです。

正社員と変わらない仕事をしているのに、非正社員というだけで賃金が低ければ、待遇の良さもない。これでは非正規のモチベーションは低下する一方。そのため、同一労働同一賃金によって非正規雇用者の待遇改善が実現すれば、非正規で働く人たちのモチベーションアップが期待できます。

メリット②働き方の幅が広がる

勤続年数によってではなく、スキルや経験、成果によって報酬が決まるようになることで、若いうちから給料や待遇が変わります。これによって、スキルアップに意欲的になる方が増え、仕事の生産性も上がることが見込まれます。また、個のスキルが上がることによって、柔軟なワークスタイルの選択肢も広がり、多くの人がライフステージに合わせた仕事を選択できるように。

デメリットは?

非正規にとっては、これまでと違う嬉しい制度。では、正社員や経営者にとってはどうなのでしょうか? もちろん、メリットがあればデメリットもあるものです。

デメリット①人件費が高くなる

非正規の賃金もアップするとなると、人件費が上がることは避けられません。どのようにしてやりくりをしていくかが、今後の企業の課題となります。
また、何を基準に同一労働になるのか。定量的には表せないものがあるため、その判断が非常に難しいところです。社内でしっかりと作業を見える化し、評価の基準を定める必要があります。

デメリット②正社員の賃金が下がる可能性がある

非正規の収入があがるだけなら良いですが、正社員の待遇が悪くなる可能性もあるのが恐い点です。先ほどのお伝えした、非正規社員の人件費が上がることによって、正社員の収入を下げて非正規の人の収入と合わせる、といった会社が出てくる可能性もあるからです。実際に、日本郵政グループは正社員の住居手当など、一部の手当てが廃止・縮小という処遇の切り下げが大きな話題となっています。

正社員にとっては、納得がいかないことでしょう。このお金の問題をどう解決していくかが、今後の大きな課題ともいえるでしょう。

課題はあるけど、チャンスもある

『同一労働同一賃金』は判断基準が曖昧な部分も多く、課題はたくさんあります。けれど、少なくとも2年後には導入されていく制度です。うまく対応できるようになるためには「自身の業務がどれだけ会社に貢献しているのか」を明確にし、会社とすり合わせる必要があります。また、自分のスキルを磨く必要性もあります。

逆にいえば、今後は正社員・非正規社員にこだわらず、自分が望む働き方ができるようになるので、ワンランク上のステージへアップするチャンスも転がっています。
個のスキルが上がることによって、企業から独立する人が増えることも予測されるため、常に社会の動向はチェックしておきたいところです。そして、企業はさらに採用難になることも予測し、対応策を練っていかねばなりません。

政府や企業の対応を欠かさずチェックしておきましょう。