入社1年目で副業開始! 本業に支障をきたさない「本業と副業の両立」



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副業に興味はあるものの、自信がない…

「働き方改革」により個人の働き方について考える機会が多くなった昨今ですが、それにまるで同調するかのように副業を解禁をする企業も増えてきました。これにより、夢や目標を叶えるための動きや、収入源を増やしたいといった、思い思いの働き方を模索している人も多いのではないでしょうか?

しかし、解禁したからと言っても、みんながみんな副業をしているわけでもありません。Cinq編集部が独自に行った読者100人アンケートでは、副業の経験があるかの問いに対して「はい」と答えた人が35%、「いいえ」と答えた人が65%に及びます。しかしこの65%の中には、「興味はあるけどなかなか行動に移せない」や、「本業との両立に不安があるから」といった「本当は副業をしたいと思っているけれど、できていない」という現状の方が多くいるようです。
株式会社アールナインに勤めている櫻井 瑛里さんは、なんと入社1年目から副業を開始したのだそう。気になる本業と副業の両立について、お話を聞いてみました。

櫻井 瑛里さんプロフィール

2019年に株式会社アールナイン入社し人事部として従事しながら、子どもたちがはじめてのおつかいにチャレンジする様子を4K動画撮影するサービス「はじめてちゃれんじ」のスタッフとして歩行者天国の商店街などで、子どもの見守りを行っている。

土日は副業をする時間

副業をはじめたきっかけを教えてください

産休に入られた先輩のご主人が会社を経営されていて、私が入社して間もないときに新規事業として、子どものおつかいを動画撮影する『はじめてちゃれんじ』を立ち上げました。その時は、テストマーケティングの段階だったのですが、手伝う人手が足りていないのと、テストマーケティングを行う商店街が自宅から近いということで、お声かけ頂いたのがきっかけでした。

もともと副業に興味はあったので、いつかはクラウドソーシングなどを使ってライターの仕事をはじめてみようかな? と考えてはいましたが、副業をするのは本業で成果を出してからだと思っていたので、自分でもまさかこんなに早く副業を始めるとは思わなかったです(笑)

副業はいつの時間を使って行っていますか?

「はじめてちゃれんじ」はその後本格的にサービスとして立ち上がり、SNSを通じて口コミで広がってきたこともあり、毎週土日に実施して、働く時間は長い時で1日5〜6時間程度になりました。それを6人のアルバイトでシフトを回しながら動いていますが、私はだいたい半分くらい出ています。

お子さんを預かる立場なので、車や自転車が飛び出して来ないか、おつかいがちゃんとできているのかなど、細心の注意を払っています。この商店街はこんな特徴があるから、と事前にチームですり合わせもしています。また、お子さんの年齢など事前情報を頂いた上で、対策を立てることも仕事の一つです。

本業と副業の両立について

本業も慣れていない時期に副業を始められたということですが、不安はありませんでしたか?

そうですね。最初は不安もありましたが、もともとアールナインではインターン生として仕事をしていた経緯があるので、会社の雰囲気や仕事内容について、ある程度把握できていたというのが大きいかもしれません。
両立をすること自体については、平日の本業の仕事に加えて、本来お休みである土日も働くことになるので、体力的な面で心配がありました。けれど、もともとアクティブなタイプで学生の頃も土日の境目なく様々活動していたので、土日に副業という予定が入ることによってむしろ早起きをする等のリズムができたり、無駄な出費が抑えられてコツコツ貯金ができたりと、メリットが多いなと感じるようになりました。

完全に土日で行うお仕事なので、平日の夜は自分の時間として過ごせますし、土日も朝昼晩のどこかに必ず休む時間を作るようにしています。お家でゆっくりする時間だったり、本業の仕事に関する勉強をしたり、自分で選択できる時間を作るように工夫をしています。色んな商店街に行くので、仕事が終わった後に、その場所ならではのお店に行ってみたり、趣味のカラオケに行ったりと、副業をすることならではの気分転換を楽しんでいます。

学生時代から、2つのサークルに所属してそれぞれ別の役職についたり、アルバイトを掛け持ちしていた経験があるので、何かを平行してやることが好きなのだと思います。社会人になったときも、本業だけにとらわれず、何か平行してやりたいと考えていたので、ある意味理想通りかもしれません。

平行してできるのも素晴らしいスキルの一つですね。とはいえ、苦労したこともあったのではないでしょうか。

本業で、人事以外の業務をやることがあるのですが、新しいことを始めるための勉強時間をいかに確保するかが当初の悩みでした。本業で必要になるインプットを土日でできればよかったのですが、土日に時間がないとなかなか全てのことに手をつけるのって難しい。本業があってこその副業だと思うので、そういう時は、副業のシフトを減らしてもらう調整もしています。

副業する上で、「自分がどこまでコミットできるのか?」という問題にも当たりました。
『はじめてちゃれんじ』は立ち上げ当初から関わってきたサービスなので「ただのアルバイトで良いのか?」、「もっと提案するべきでは?」とどこまで力を入れて、どこから割り切るべきかが難しくなりました。考えた結果、自分が後悔しない、やっていて楽しいと思うやり方を優先しようという結論にたどり着き、提案する方を選びました。副業ではありますが、お金よりもやりがいに重点を置いて続けています。誰でもできる仕事ではなく、自分がやっているからこその価値を生み出したいと思っています。

副業をして得たものはどんなことがありますか?

アールナインという会社は、様々な企業様の組織課題を解決することを基にしています。私もお手伝いすることが多いのですが、組織のマネジメントとお子さんとのマネジメント、どちらも本質的には共通しているという気づきが得られました。例えば現在は内定者のマネジメントを行っているので、年齢は違えど考え方が活かされていると感じます。

ご家庭によって子どもとの関わり方も違いますし、子どものコミュニケーション能力や自己肯定感を高めていくマザーズコーチングのように、上手くやる気を引き出して送り出す人もいます。親と子の関わり方は、客観的に見ると奥が深く面白いですね。

あとは、副業先は本業で関わる人たちと全く違うタイプなので、本業についての相談、アドバイスをしあうこともあります。偶然私の年齢が一番下なので、気にかけてくださる先輩が多いんです…。とてもありがたい存在です。さまざまな立場の人と一緒にいることで、仕事に対しての意見をより多く吸収ができているという実感があり、得るものも大きいです。本業以外のコミュニティがあると、視野が広がり、自分が持っている力が他の場面でも通じるのか?と改めて気が引き締まり、自信にも繋がります。

なぜ副業をする理由を明確にすること

副業をする上で気を付けていることはありますか?

本業に支障を出さないこと、副業を本業への言い訳にしないことを最初から決めていました。昔は、優先順位の付け方が上手くいかず、誘われた飲み会には全部参加する、興味があるものは手当たり次第やってみるという性格だったのですが、社会に出て、時間は有限なものであると考えるようになりました。
自分がどういうキャリアを描いていきたいのか、どんな社会人になりたいのか決めた上で、そこから外れるようなものはやらないと決めています。それを実践してからは、やるべきことがまとまるようになりました。私の優先順位の一番は本業に関わる仕事、その次に来るのが本業に役立つスキルや勉強、そして副業という順です。

私の場合はご縁があって副業を始めることになりましたが、副業を始める前に「どんな社会人でいたいのか」、「副業をする目的は何なのか」をしっかり決めて始めることが良いと思います。私の場合は、お世話になっている先輩を助けたい・手伝いたいという思いが目的としてあったのですが、今は「人との関わり方を学ぶ・コミュニケーションの幅を広げる」という目的にシフトしてきています。自分の変化と向き合いながら、今後もバランスよく副業を続けていきたいと思っています。