センスでも才能でもない。ハヤカワ五味さんが情報発信をする上で意識する5つのルール



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高校1年生の頃からアクセサリー類の製作、大学入学直後にはワンピースブランド《GOMIHAYAKAWA》を立ち上げ、さらに胸が小さい人向けのランジェリーブランド《feast》や細身の人向けワンピースブランド《ダブルチャカ》など、課題解決型アパレルブランドを中心に展開する、株式会社ウツワ代表取締役社長 ハヤカワ五味さん。2019年からは、女性の生理から選択を考えるプロジェクト《illuminate》をスタートしています。
日頃からSNSを使って、さまざまな情報を発信しているインフルエンサーでもある彼女が、情報発信をする上で意識していることは、一体なんでしょうか?

半径5メートルの範囲に居る人に広める

アニメやゲームの影響でコスプレをしてみたり、ロリィタファッションに目覚めてタイツやワンピース、下着をつくるようになったというハヤカワさん。ものづくりを始めたきっかけは「自分が欲しいものが世の中になかったから」というシンプルな理由だったそう。
最初から今のように知名度や人気があったわけではありません。当時のハヤカワさんが、まず最初に、自分の活動を広めるために行ったアクションも、とても身近なものでした。

「友人や知人に話してみるってところから始めましたね。すごく簡単なことなんですけど、これの良いところは、自分のことを知ってもらえるだけでなく、紹介してもらえる機会が生まれたり、相談が集まったりすることなんです。好きなことを普段から伝えておくと、共感して手伝ってくれる人が出てきたりする。だから最初は、好きなものを表明して、自分にタグをつけていくことがスタートなのかなって。自分の好きなものや活動を、まずは半径5メートルの範囲にいる人に伝えるってことが大事だと思っています」

文字にする時、意識するのは「主語」と「語尾」

現在は、Twitterだけでも7万3千人のフォロワーを抱えているハヤカワさん。
文字で情報発信をする際に意識していることは、主語と述語をハッキリさせること。情報の解像度を上げることが大切なのだと言います。

「日本語ってすごく難しくて、主語が抜けやすかったり語尾が抜け落ちたりことがあるんですよね。対面だと文脈があるから理解できるけど、文章にすると伝わらない。
Twitterだと、主語が大きく捉えられちゃうことがよくありますね。例えば『女って』って言葉も、それが自分の周りにいる5人〜10人の話なのか、それとも全女性を指しているのかわかりづらくないですか? だからこそ、主語の大きさはハッキリさせておくべきだと思うんです。語尾も同じように、です・ますにするのか、思う・聞いたで印象が全く違います。語尾に使う言葉で、情報の角度が変わってくるんです。

特に、思っていることを言い切ってしまうのってすごく危険です。例えば『この世にはひどい男が多いなと思った』っていう感情を『この世にはひどい男しかいない』って表現してしまうと、受け取り方が全く違ってきますよね。なので、情報に正確性を持たせるべきなんです。私のことを全く知らない、通りすがりの人が読んだとしても、きちんと理解してもらえる文章なのかどうかを意識します」

自分で文章を構成して、宣伝すること

「Tiwtterって文字数が少ないので、必然的に情報が減ったり、余分な文字数を削って短くおさめようしますよね。それが自分の言葉を明確に伝える練習になります。日本語の構造を理解して、“てにをは”を意識することが基本的には大事かなと思います」

現在は女性の健康分野に着目し、生理用品をセレクトしたECショップ『illuminate』を運営しているハヤカワさんですが、実はilluminateを立ち上げるまでにもさまざまな苦労があったのだとか。そんな現状を変えたのが、Twitterに投稿したひとつのツイートでした。

https://twitter.com/hayakawagomi/status/1103593056194850816

「これには理由があって、私の場合は『目立ちたがり屋』とか『怖そう』っていう印象がついていることが多いんですよ。だから、好きを好きって口に出すのと同じように、コラボする意思があるってことを表明したかったんです。意思があることが明確になると、勘違いが解けますよね。ずっと発信していても、何もアクションがなかったのなら、伝わっていないか勘違いをされていたかのどちらかです。だからこそコミュニケーションのハードルを下げることが大事かなって。今考えるとヤバいですよね(笑)

けど、この投稿をしてから、生理用品関連のお仕事や相談をいただくことが増えたのも事実です。自分の意思を表明して、広げて、コミュニケーションのハードルを下げる。あの時は必死だったので、これが最後の策でした」

発信する軸を決める

「自分にタグをつけていくことって大事なんですけど、タグがつきすぎると人から理解してもらえないことがあります。なので、自分の発信の核となるメインタグを決めていますね。今はそれが女性の健康分野。それ以外のものは、タグ付けをされる前に流れていると思います。

情報を自分だけで終わらせるつもりはないので、どうやって情報が広がっていくのか、自分以外の誰かに語ってもらうためにはどうすれば良いのかを考えている側面もありますね」

インプットを欠かさないからこそ、アウトプットが生まれる

アウトプットを繰り返していくためには、インプットは欠かせません。ハヤカワさんも興味があるものは必ず深掘りをして、気づいたことからハシゴのように想像を膨らませていくと言います。

「私がやっていることって、人から見ると直感的に感じるかもしれないんですけど、実際は全然違うんです。BBCドラマの『シャーロック』という作品がすごく好きなんですけど、その中に“直感は今までの経験や知識の表れ”というようなセリフがあるんですよ。本当にそれだなと思って。論理的に結びつけようとするんじゃなく、常に気になった情報を集めておくことで、コレとコレが近いなって気づくことがあるんです。今の活動や発信も、決してセンスがあるからとかではなくて、インプット量でつなぎ合わせたものだったり、インプットした情報によって保証されてる部分が大きいです」

知的探究心が強いハヤカワさん。日頃からじっくりと時間をかけて情報収集を重ねていることがわかります。

「知りたいと思ったものがある時は専門家の人に聞くのが一番。だけどそれってハードルが高いじゃないですか。だから、会う機会のない人の本をたくさん読みます。その人を知りたいって思った時も、本を読めばある程度その人のことがわかるじゃないですか。情報について知りたいときは、そのジャンルの本を数冊読んで、全ての本に共通している内容と、本によって違う内容を整理します。多角的に情報を得た上で、自分の中で判断するって決めてるから。日頃からいろんなジャンルの情報を収集しておくと、仲良くなれる人も増えるし機会損失が減って良いですよ」

情報を“選ぶ”ことが重要。ハヤカワ五味 著書【私だけの選択をする22のルール】

「私もああだこうだって色々呟いてますけど、SNSで言ってることって補助資料くらいに考えています。SNSって、責任が伴わないメディアなので、みんな好きなことを言っていいんですよ。だからこそ、情報収集の際は情報を“選ぶ”ことが大切です」

情報が増えすぎて、なにを信じれば良いのかがわらかなくなることも多い今。
最後に「自分で選択をすることの重要性が増している」と語ってくれたハヤカワさん。ついに、自身が著書となる【私だけの選択をする22のルール あふれる情報におぼれる前に今すべきこと】が発売されました。
情報を取り入れること、取り入れた情報を蓄えて選択していくこと。24年間の経験を通して形づくってきた彼女のルールが明らかになります。ぜひチェックしてみてくださいね。

「私だけの選択をする22のルール あふれる情報におぼれる前に今すべきこと」
著者:ハヤカワ五味
定価:本体1,350円+税
発売日:2019年11月28日