転職してから後悔しないために。今の会社を選んだ理由を見直してみる



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転職に悩んだら、まず今の会社を選んだ理由を見直してみる

「会社と結婚したわけじゃない」。
そうは知っていながらも、自分で自分を支えるためにも、誰かを支えていくためにも、仕事は生活を豊かにする上で必要不可欠なもの。もちろん転職という手段はあるものの、会社と個人の付き合いは、結婚相手、結婚生活と似たくらいに重要なもののように思える。明日勤め始めることも、明日すぐに辞めることもできない。自分の人生を左右するくらいに『職場環境』というものは重要なもの。

私たちは「社会人になったから、就職しなきゃ」と会社に属するのが当たり前だというように、就職先についての相談を学校や両親から進められてきた。「安定が得られる公務員がいい」「信頼がおける大手企業に務めるべき」などと人生の先輩に教えられたこの呪文は、いつのまにか頭にインプットされ、そこに勤めた後にも「辞めるのはバカだ」「勿体無い」と言われることがある。

入社前に考えた志望動機とは違う企業の実態に、悩みながらも『辞める』選択ができずに苦しむ人はたくさん居るのが実情だ。

だからこそ知っておきたいことがある。今の時代では、SNSが普及し、会社情報や内部事情がだいぶクリアに見えるようになってきた。入社をする前や転職を考える時など、自分にとって重要な“この会社を選ぶ理由”をはっきりさせるための材料が、とても集めやすくなったのだ。志望動機として重要な、自分と暮らしを形成するための基準をしっかりと定めておくことができる。後悔する可能性を少しでも減らすため、何が重要でこの職場を選ぶのか、といった理由を今一度ハッキリさせておこう。

「給与」の高さで今の仕事を選んだ人

ゆとりある生活を送るに限らず、給与は会社選びの条件として重要なもの。自分にとって会社を選ぶ基準の一番が『給与』だという人は少なくはないだろう。そんな人は、どうしたら給与を上げられるのか、自分の価値を高めるにはどうすれば良いのか、といったことをしっかりと考えていかなければならない。

給料=ガマン代、努力代の考え方は徐々に古くなる

今までは、残業時間が頑張りとして認められることも多かった。「私の若い頃には、寝る間も惜しんで仕事したもんだ」と語る上司も少なくない。それが今ではどうだろう。企業は日本人の働きすぎを問題視し、効率よく作業をこなす方が能力が高いという考えに変わりつつある。高給=ガマン代金だと認識している世代から、徐々に変化が起きているのだ。給与が良いということは、辛い仕事だという認識から外れ、いかに効率よく仕事の成果を出すかが評価の軸になる。つまりは、より実力が見られる世界になっていくということだ。
年齢が上がれば次第に給与も上がるという日本ならではの順序的仕組みでなく、『個』としての裁量が見られるようになり、次に戦うべきは我慢ではなく『プレッシャー』ともいえるかもしれない。今ある作業の半分がAIに置き換えられた時、個として生き残れる能力がどんな部分にあるかをハッキリさせておきたい。

収入を基準に考えるのなら副業を検討すればいい

上司に認められる他にも、給与を上げる方法はある。もちろん社内規定にもよるけれど、それは『副業』を始めることだ。個人としての能力を上げていくことに集中すると、おのずと自分の強みを活かせる場というものがハッキリとしてくる。その強みを生かして、他の仕事を始めればいいのだ。会社員として地道に作業をこなしていく、ルーティーンワークが得意な人も居れば、他に集中できる『二足のわらじ』があってこそ安定する人も居る。副業が認められるようになってきた今だからこそ、給与にこだわる人には忘れないでいてほしい方法だ。

「肩書き」のため、「安定」のために職場を選んだ人

次は職場の人間関係が良好だから、決まった仕事内容があるから、またはポジション(役職)が良い、と会社を選ぶ人の場合だ。成果を出してバリバリ働くというよりは、安定した生活を重視したい。そんな人は、士気を高められる方法を自分で知っておく必要がある。

仕事へのモチベーションを高められる材料を知っておく

「仕事のやりがいが感じられない」「自分の存在意義がわからない」と悩む人は意外と多いもの。安定を求めて職に就いたはいいものの、毎日のルーティンワークに飽き飽きしてしまったという声をよく耳にする。飽きというのは非常に厄介だ。これといった理由がないままに、『転職』という道を考えてしまうことがある。けれど、自分の市場価値を理解しないままに、転職活動をすることは非常に危険だ。よく「転職すると給与が下がる」と言われるが、それは自分の能力を客観視した上で転職市場を理解しないままに転職した結果だともいえる。安定を選んだはずが、飽きが原因で変化を求め、その結果後悔(→出戻り社員)になるといった人も少なくはない。一時の感情に流されないようにも、仕事に対するモチベーションの上げ方を自分で知っておくことはとても大切なのだ。

褒められることを目標にしない

その場合に注意することがある。それは人に褒められることを目標にはしないことだ。感謝の気持ちを伝えられるのと、褒められることは大きく違っている。人に褒められることでモチベ―ションが上がる、は学生であれば正解だったかもしれない。でも、会社に属するとなると「学びたい」という気持ちや「褒められたい」という欲望は非常に時間の無駄となるものだ。学びは他で得るものだし、評価は他人が(口に出さずとも)下すもの。厳しいかもしれないが、おだてられないとやる気が出ないようでは、仕事は成り立たない。

「やりがい」や「魅力」があるから今の職場にいる人

では「自分の経験や能力を伸ばすきっかけになるから」と、やりがいや魅力を感じて職場を選ぶ人の場合はどうか。

ミッション(目標)を明確にしておく

自分の目標に向かって走っていたはずが、障害や誘惑のせいでゴールラインを見失ってしまう人がいる。諦めや挫折というものは人生の中で経験しておくべきものではあるけれど、自分の目標を何かにすり変えてしまう、そしてそれがいつの間にかすり替わっていることに気づかない、ということはすごく危険だ。目標を達成するためには、日々の戦術(実行するべきもの)や、実現のために必要な組織づくり、そして明確な戦略(プラン)が必要になる。何のために、どんなことのために、といった理由を必ず忘れず持ち続けなければならない。

変化に対応する柔軟性

計画を立てることの重要性のほかに知っておきたいことは、物事に対応する柔軟性だ。すべてが自分の理想通りに進めば問題はないが、あいにくそう簡単にはいかないのが世の中である。計画を達成するための手段を見直し、変更するといった柔軟性は必ず持っておくべきだろう。

定期的な見直しで、仕事と自分について考える機会を

自分にとって起業を選ぶ基準が何なのかをしっかりと理解した上で、働き先を考えてみてほしい。今いる会社にやりがいを感じられない、ならば自分が求めている環境はどんなものなのかといったように。『辞める理由』と『選ぶ理由』はすごく近くにある。自分がやりたくないことの輪の中に、やりたいことが見つかることもある。情報が豊かになった今だからこそ、選択肢が増えたことを理解し、自分の求めるものが一体なんなのか、またそれを実現するためにはどんな知識や経験が必要なのか、定期的に見直してみるといい。