幸福度ランキング上位の北欧
フィンランド、ノルウェー、デンマーク、アイスランド、スウェーデン……。北欧諸国が、こぞって「世界幸福度ランキング」で上位にランクインしているのはご存知でしょうか?
なぜ、北欧はこんなにも幸福度が高いのか。その理由は、国からの補助・暮らし方・教育・医療などに日本と大きな違いがあり、どれも画期的な制度があるからなのです。今回は、女性の就職率が高いと言われているスウェーデンの働き方に着目して、幸福度が高い秘密に迫っていきましょう。
女性の管理職率は世界トップレベル
@pgi_japan
スウェーデンでは、専業主婦はたったの2%だと言われています。
なんと、88%の女性が就業しているのです。そのうち企業に務める女性管理職は27%という高割合で、ほとんどが女性が出産を経験した後にも、キャリアを形成しています。
スウェーデンでは育児休暇中の手当も充実していて、夫婦で合わせると、480日もの有給育児休暇を取得することができ、休暇中の390日間は休暇前の80%の給与が支払われるという仕組みになっています。
一般的に、男女平等に「家事・育児をシェアすることが当たり前」という考えも普及しているため、有給を上手に活用することができるのです。また、新しく子どもが生まれれば、育児休暇が増えるという仕組みもあるので、出生率も高くなっています。
長く働くなら好きな仕事でなければ続かない。
だからこそ「好きな仕事」をすることにこだわりが強く、転職を繰り返すことが多い反面、「好きな仕事」にめぐり会えたときには、キャリアを積み重ねて管理職になる方が多いのです。
基本はフレックスで、6時間勤務
日本でもフレックスを導入している企業はありますが、スウェーデンでは企業の約半数が、8割以上の従業員にフレックスタイム制を導入しているそう。むしろ一般的になりすぎて、フレックスを活用している間隔はないのだと言います。
また、日本での労働時間は8時間と定められているのに対し、スウェーデンでは6時間勤務が増えているのだそう。
こう聞くと「ちょっと短くない?」と思ってしまいますが、6時間勤務の方が社員の集中力アップや意欲の向上、ストレス軽減による社内の雰囲気が良くなったという企業の施策データが公開されたからなんだそう。
勤務時間が短くなってからは、会議の時間を短縮したり、SNSで気分転換する時間を減らすなどとして、工夫をしています。日本でも育休明けに職場復帰をするタイミングに時短勤務が認められていますが、原則は6時間と決められています。この6時間という数字が、私たちに変化をもたらすのかもしれません。
有給は週単位
日本では、有給は〇日と表現しますが、スウェーデンでは有給は○週間と週単位で捉えてられています。5週間~6週間の有給が平均的です。有給を単発で取るのではなく、必ず5日間連続で取得し、1週間で1セットという考え方があるからです。
単発で取れない分、風邪を引いたときに有給を活用することはできませんが、それぞれ好きなタイミングで長期休みをとることができるので、ゴールデンウィークやお盆といった帰省ラッシュに巻き込まれる心配もないのだそう。とはいえ、寒い国なので夏の時期にバカンスに行く人は多く、夏はお店が閉まっていることもよくあるようです。
意外なことに、祝日がほとんどないスウェーデン。日本と比べても、休んでいる日数はあまり変わらないのだとか。休みすぎというわけではないので、休みが原因で経営が傾くこともありません。
コーヒーを飲む「フィーカ」という文化
スウェーデンは世界で最もコーヒーを消費する国。その理由は、「フィーカ」と呼ばれるお茶をする文化があるからです。仕事の同僚と一緒にコーヒーとおやつを、朝の10時と午後の3時に楽しむなど、ちょっとした休憩があるのが一般的です。
大人になってもおやつの時間があるのは嬉しいですよね。ほとんどの人がフィーカをしているため、その時間は、電話をしても相手が応じてくれないこともあるんだとか。
6時間勤務でSNSを見る時間は減ったとしても、フィーカは変わらずにあるので、メリハリもって業務に取り組むことができます。
幸福度の高さは「当たり前」にできたものではない
スウェーデンの働き方をみると、日本とかなり違っていることがわかります。
「こういう働き方には憧れるけど、日本では難しそう……」なんてつい思ってしまいますが、スウェーデンにいる人々の幸福度が高いのは、昔からだったわけではありません。
むしろ90年代までは、今の日本と抱えているような問題も多く、借金大国でもありました。しかし、働き方改革などを進めることにより、幸福度の高い今があるのです。
さらに、スウェーデン人の性格は、日本人と同じでシャイで真面目。
性格的に似ているところもあるので、決して実現不可能ではないと考えられるのです。国・企業・個人での意識の改革が進み、スウェーデンのような幸福度の高い国になっていくことを願いたいですね。